総胆管結石に対する内視鏡治療

更新日:2021年04月01日

総胆管結石に対する内視鏡治療

治療方法の概略・麻酔方法

胆管や膵管を造影し、胆管・膵管の結石の数や大きさを把握します。(ERCP) 胆汁や膵液が流れ出る部位を十二指腸乳頭といいますが、乳頭を広げる治療法には、内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)、内視鏡的乳頭バルーン/ラージバルーン拡張術(EPBD/EPLBD)があります。これらの治療は、ESTは乳頭を高周波電気メスで切開し、EPBD/EPLBDは拡張用バルーンカテーテル/ラージバルーンカテーテルで乳頭を拡張します。
ERCPで得られた結石の情報(大きさ・個数など)や十二指腸乳頭の状態を総合的に判断し、ESTを行うかEPBD/EPLBDを行うか検査中に決定します。なぜなら乳頭部は細いワイヤーが通る程度の細さであり、切開もしくは拡張しなければ採石術などの処理ができない為です。
引き続きバスケットカテーテル(小さな石を集めて掻き出す専用のカテーテルや巨大結石を粉々に砕く専用のカテーテルなど)やバルーンカテーテルを用いて胆管内の結石を除去します。巨大結石や多数結石例では1回の手技で結石を完全に除去できない場合もあり、そのような場合は胆管炎を予防するため、必要に応じて胆道ドレナージチューブを留置する場合もあります。

咽頭麻酔(喉の麻酔)に加えて、点滴から鎮静剤・鎮痛剤を投与して沈静下に検査を行います。

総胆管結石に対する内視鏡治療方法の概略・麻酔方法

ESTの実際

ESTの実際

弓形の電気メスで、乳頭部を2~3mm切開します。抗血小板薬や抗凝固薬が休薬されていない場合や病状によって血液が極度に固まりにくい状態になっているときは出血の危険度が高く中止します。

EPBD/EPLBDの実際

EPBD/EPLBDの実際

写真はESTの後にEPLBDを行なっています。
乳頭部の変形(憩室や憩室内に乳頭がある場合)、結石の状態(積み上げ結石など多数の結石がある場合)によっては、EPBDやEPLBDを行います。

採石術の実際

採石術の実際

ドレナージチューブ留置

レナージチューブ留置

当院ではERCP(総胆管結石に対する内視鏡治療)に関して独自のクリニカルパスを作成し使用しています。

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