放射線科

ごあいさつ

「息を吸って、止めてください」このフレーズに代表される胸部X線撮影は放射線科で行っている単純X線検査の1つです。当院にはX線を用いた一般、透視、血管、骨密度測定、CT撮影装置をはじめ、MRIを整備し、学会や研修会を通してスタッフのスキルアップを図ることで、最良の診療情報が提供できるよう日々取り組んでいます。
また一般撮影には高感度FPDを採用しており積極的に低線量での撮影に取り組んでいます。
良い診療情報を得るには、患者さんの協力も必要となります。解らないこと、不安なことなどございましたら気軽にお声掛けください。検査に精通したスタッフが安心して検査を受けていただけるよう対応させていただきます。

スタッフ紹介

  • 診療放射線技師 7名(男性4、女性3)
    検診マンモグラフィ撮影技術認定診療放射線技師(NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構認定) 2名
    胃がん検診専門診療放射線技師(日本消化器がん検診学会認定) 1名
    Ai認定診療放射線技師(日本診療放射線技師会認定) 1名
    日本診療放射線技師会会員 7名
    日本放射線技術学会会員 3名
    日本磁気共鳴医学会会員 1名
    新潟県診療放射線技師会会員 7名
  • 医療助手 1名

各撮影室別、撮影内容のご紹介

地図内の各撮影室をクリックすると説明にジャンプします

各撮影室

第1X-TV室(内視鏡)

第1X-TV室(内視鏡)

大腸内視鏡検査をはじめとして、透視下で高度な内視鏡手技を用いた検査および治療を主に行なう第1撮影室には、X線テレビ装置(FPD)のほかに電子内視鏡設備も整備されています。

第2X-TV室(胃・腸)

第2X-TV室(胃・腸)

バリウムを用いた上部・下部消化管造影やカニューレなどの管を用いた造影検査、経皮的穿刺などの造影、治療を主に行ないます。

第4撮影室(マンモ・造影撮影・一般X線撮影)

第4撮影室(マンモ・造影撮影・一般X線撮影)

乳房撮影(マンモグラフィ)

【撮影装置について】
2021年3月に機器を更新しました。
従来の2D撮影に加え、トモシンセシスという機能を持たせたことで、乳腺の重なりにより見つけることが困難であった病変の診断も容易になり、精度向上につながっています。
撮影線量も従来と比較し、低い線量での撮影になっています。
また、CAD(コンピュータを利用した診断支援)を利用することも可能になりました。

【マンモグラフィの撮影について】
マンモグラフィは、専用の装置を用いて乳房の写真を撮る検査です。乳がんの検査のひとつで、乳房のしこりや石灰化などを描出することができます。乳房を片方ずつ、専用の板で挟み圧迫をして写真を撮ります。

  • マンモグラフィ検診精度管理中央委員会より技術認定を受けた女性診療放射線技師が撮影を担当します。
    また、施設として精度管理にも積極的に取り組み、同委員会のマンモグラフィ検診施設認定も取得しています。
    乳房撮影(マンモグラフィ)
  • 圧迫する理由
    圧迫することで、乳房の内部が薄く広がり、小さな病変も写るようになります。また、放射線による被ばくも減らすことができます。
  • 写真を撮る際の注意点(写真に写る可能性があります)
    髪が長い場合は後ろに束ねてください
    ネックレスは外してください
    制汗スプレーやパウダー(ラメなど微小金属の入ったもの)は控えてください

造影検査

第4撮影室では造影剤を使用した検査も行っています。
造影剤を注射、もしくは点滴で体内に注入し、その位置や流れを撮影します。

【腎盂造影】
腎盂造影では、造影剤が尿中に排泄されることを利用して腎臓や尿管、膀胱の状態を調べます。
検査時間は15分~30分くらいです。

X線一般撮影

X線撮影で造影剤を使わない検査を「一般撮影」または「単純撮影」と言います。
当院では第4、第5、第6撮影室の3つを使用して撮影をしています。

第5撮影室(胸部・腹部X線撮影)

第5撮影室(胸部・腹部X線撮影) 第5撮影室(胸部・腹部X線撮影)

胸部腹部撮影

おもに第5撮影室を使用しています。
胸部単純撮影は肺炎、肺がん、結核、胸水、気胸をはじめとした非常に多くの肺病変の診断に利用されます。
また心不全などの心疾患の診断にも役立ちます。
腹部単純撮影では胆石や尿路系の結石、腹腔内、腸管内のガスや腹水などをチェックします。

撮影時のお願い
X線写真では金属があるとX線が透過せずに画面上で白く写ります。
ボタンなどのプラスチックや服のプリント柄なども材質により写ることがあります。
正確に診断できる写真を提供させていただくため、撮影時には、できるだけ模様や飾りのない薄手の服装で撮影をさせていただいています。
皆様のご協力をよろしくお願いいたします。 

第6撮影室(骨X線撮影・歯科パノラマX線撮影)

第6撮影室(骨X線撮影・歯科パノラマX線撮影)
第6撮影室(骨X線撮影・歯科パノラマX線撮影)

骨撮影

骨撮影は主に第6撮影室を使用します。
混み合っている時には第4、第5撮影室でも撮影を行ないます。
骨のX線撮影は骨折、脱臼などの骨の状態や骨病変の診断に有用な検査です。
また術後の経過観察にも定期的に撮影することもあります。

歯科パノラマ用X線装置

全歯列を1枚の画像に展開して撮影でき、上顎および下顎の状態も観察できます。

第7撮影室(歯科X線撮影・骨密度測定)

第7撮影室(歯科X線撮影・骨密度測定)

歯科デンタル用X線装置

口内にイメージングプレート(IP)を入れて歯の撮影をします。パノラマ撮影に比べ鮮明な画像なので、歯の根尖や治療時の確認などの際に撮影します。
歯科系X線撮影システムは、デンタルとパノラマ共にフィルムレス(FPD、IP)システムになっています。この為、撮影後の画像処理が迅速に出来、歯科診療室では、タブレット端末機で簡便に良質な歯科X線写真を見ることが出来ます。また、X線被ばく線量がフィルムシステムに比べ大幅に減少しています。

骨密度測定装置

骨の密度(骨塩量)を測定し、骨粗鬆症を判定するための装置になります。
当院では腰椎、大腿骨骨頭を測定対象に骨密度検査を実施しています。
検査時間は数分で終了します。

血管撮影室

血管撮影室

【撮影装置について】
2022年11月に装置を更新しました。

血管撮影検査

X線透視下でカテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入し、造影剤を用いて目的の血管を連続撮影します。当院では主に撮影だけでなく治療目的で検査が行われています。

透析シャント血管造影・・・血管形成術:PTA

シャント血管の狭くなったところを、バルーンカテーテルと呼ばれる先端に風船のついた道具で拡げてあげる治療です。

CT撮影室

CT撮影室

【撮影装置について】

2021年5月に機器を更新しました。
80列マルチスライスCT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)装置により撮影の高速化と、すべての検査で0.5mmという高精細な画像データの取得が可能となりました。
また、近年各分野で話題のディープラーニングを用いたAI技術による画像再構成が可能となり、大幅に画質が向上しました。
これらによって、従来と比較してより短時間で、より細かい高画質な画像を提供しつつ、大幅なX線被ばくの低減が可能となりました。

【撮影について】

CT検査はX線を使って得たデータをコンピュータで処理し、身体の輪切り画像を撮影する検査です。
検査を受けられる方は撮影台に通常仰向けで寝ていただき、ガントリーという大きな円筒状の穴の中を台ごと通過しながら撮影を行います。
検査の種類は大きく分けて、造影剤という薬を使用しない単純CT検査と、検査中に造影剤を腕の静脈から注射して行う造影CT検査があります。
検査の対象部位により、4~10秒ほどの息止め撮影があります。

【造影CT検査】

造影剤という薬を腕の静脈から注射して、より詳しく病変や異常を発見することができます。
血管の中に造影剤が入ることで体があたたかくなりますが心配ありません。
ただし、造影剤の副作用としてまれにアレルギー反応を起こすことがあります。
検査中~検査後1時間の間に起こることが多く、吐き気、嘔吐、かゆみ、じんましん等があります。

検査時のお願い
ネックレスやヘアピン、入れ歯、ブラジャー、ベルトやズボンのチャック、ホッカイロ、エレキバン等金属類が撮影部位に入る場合は取り外したり脱いだりしていただくことがあります。

結石破砕室

結石破砕室

体外衝撃波結石破砕術とは、体外から衝撃波というエネルギー波を腎結石あるいは尿管結石に向けて照射し、筋肉や他の臓器を傷つけることなく結石のみを粉々に破砕させる治療法です。破砕された結石は尿と一緒に体外へ排出されます。

MRI撮影室

MRI撮影室

MRI検査とは

非常に強い磁石と電波を利用して、人体の様々な断面を撮像する検査です。
組織間のコントラストが高いため、病変の検出に優れています。
当院では多くの診療科の検査が行われています。

MRI検査の注意
非常に強い磁石の力を利用していますので、衣類や装飾品は、着替えたり、外したりして検査を行います。また、体内に金属がある場合は、検査が出来ない場合があります。
非常に大きな音がする中での検査になりますので、ヘッドホンや耳栓をして検査を行います。また、検査室からの声が聞き取りにくい状況になりますので、呼び出しブザーをお持ち頂いての検査になります。

患者さんに協力していただく事
事故を未然に防ぐために、検査直前に検査担当者が問診票に沿って、持ち物や装飾品等の確認をさせていただきます。
非常に動きに弱い検査ですので、出来る限り体を動かさないようにして頂く必要があります。

頭部MRI検査

脳梗塞や脳内病変の検出、血管の異常などを診断するために行っています。
MRI検査では造影剤を使用しないで、血液の流れを利用して血管を描出する(MRA:MA Angiography)ことが出来ます。

乳房MRI検査

病変の存在診断や手術前の病変の広がり診断を目的として行っています。

腹部MRI検査

肝臓、胆のう、膵臓、腎臓などいろいろな臓器を対象に検査を行っています。
当院では、MRCP(胆のう・胆道・膵臓)の検査が多く行われています。

骨盤腔MRI検査

泌尿器科領域の前立腺検査や婦人科領域の子宮・卵巣検査が多く行われています。

整形外科領域のMRI検査

脊椎をはじめとして、多くの部位の検査を行っています。
X線撮影では指摘が難しい骨折や、靭帯、半月板なども明瞭に描出することが出来ます。

ポータブルX線撮影(2台)

ポータブルX線撮影

移動式のX線撮影装置です。病室から出ることが難しい患者さんのX線撮影を、病室で行うことができます。またその他に、各外来などでも使用されます。

◎ 検診車(胸部・胃部X線撮影)

検診車

巡回検診車

平成23年度のオートレースの補助金を受け、平成24年2月に納車されました胸部、胃部兼用型の検診車です。
胸部検診には、ヨウ化セシウムを用いた高感度フラットパネルディテクターを採用しており、低線量で高画質な画像が得られます。
胃部撮影についてもデジタルラジオグラフィを採用しており、鮮明な画像が得られます。
撮影された画像は、院内の画像サーバーに記録し、院内にある各画像端末で見ることが可能です。
また、受診者情報の登録についても撮影時に登録するシステムを採用しています。
撮影については、検査に精通したスタッフが担当しています。

PACSについて

PACS

当院では、2010年4月よりPACS(Picture Archiving and Communication Systems)を導入しています。PACS導入で、従来のX線フィルムが無くなり、変わってネットワークによるモニター表示運用になりました。利点としては、主に次のようなことがあります。

  1. スピーディに画像表示
    患者さんを待たせることなくスピーディに画像を表示。撮影後、ネットワーク経由ですぐに診察室で画像を見ることが出来ます。
  2. スムーズな過去画像比較
    過去画像を瞬時に検索表示、並べて比較することも、自由自在。病状変化がよくわかります。
  3. 画像の同時複数箇所表示
    画像を同時複数箇所で閲覧可能。必要時待つことなくすぐ診断。
  4. 地域医療を支える機能
    CDの画像持ち出しや取り込み、画像の転送システムを装備。他院との連携に役立っています。

被ばく線量管理システム

被ばく線量管理システム

2020年4月の医療法施行規則の一部改正により、一部の対象機器に対して自施設の放射線被ばく管理が義務づけられました。当院においても線量管理システムを導入し、CT検査などの線量評価や撮影条件の見直しを行っています。このような線量の最適化により放射線被ばくをできる限り低減し、安全に、安心して検査を受けていただけるよう努めています。

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