今、力を入れている事

~地域密着型病院として~

「口から食べる」を支え続ける!

高齢者は入院治療を契機に、食べる力が衰えてしまうことが多くあります。しかし、私たちは多くの症例を見ていく中で、自分の口で食べることは、患者さんが地域で暮らしていくためにはとても重要な事だと気付きました。家に帰るには、ある程度自分の力で食べることが必要です。食べることで、認知症の悪化も防ぎます。また、体力も付き、転んでも骨折しにくい体を作ってくれます。褥瘡の回復にも繋がります。
それだけ「食べること」は、生きていくうえで基本となる大切な事です。

急性期治療を終えた患者さんが入院している地域包括ケア病棟では、食事介助が必要な患者さんが多く入院されています。その中で、日勤の看護師全員がお昼の食事介助に関われるように、仕事内容の見直しを行いました。具体的には看護師の休憩時間の調整を行い、看護師全員が患者の食事介助を行う体制を取っています。

それにより、よい変化が患者さんと看護師に起きています。
看護師は、患者さんのそばでどんなことをしていると思いますか?

看護師は1人1人の食事介助に時間をかけて関わります。看護師は患者さんの食べるペースを大切にして、とにかく見守ります。そして、患者さんが自分の力で食べられなくなった時、少しだけ食べるお手伝いをします。見守られていることで、患者さんは自分で食べようという意欲が見えてきたように感じます。食事時にむせてしまう患者さんも減りました。

私は「見守る」という行為が、患者さんの食べる力を引き出しているのではないかと感じています。そして看護師は患者の食事に対する意識が高まり、カンファレンスで食事について討議したり、栄養科と相談したりする機会が増えました。今、地域包括ケア病棟の看護師は、患者さんの食事を大切にするケアが自分たちのやりがいになっています。

これからも、地域密着型病院としての看護の面白さや、やりがいをみんなで追求していきたいと思います。

2024年3月
看護部長 池 穂波

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