今、力を入れている事

更新日:2025年07月16日

~地域密着型病院として~

口から食べるを支え続けること そして 日常生活に生活の営みを実感できること

高齢者は入院治療を契機に、食べる力が衰えてしまうことが多くあります。しかし、私たちは多くの症例を見ていく中で、自分の口で食べることは、患者さんが地域で暮らしていくためにはとても重要な事だと気付きました。家に帰るには、ある程度自分の力で食べることが必要です。食べることで、認知症の悪化も防ぎます。また、体力も付き、転んでも骨折しにくい体を作ってくれます。褥瘡の回復にも繋がります。
それだけ「食べること」は、生きていくうえで基本となる大切な事です。

一日の生活の中に食事のタイミングは朝、昼、夕があります。しかし朝食、夕食時間は看護職員も少ないため、十分に時間をかけて食事支援を行うことが出来ません。そこで、昨年度より全病棟で昼食時の食事介助にしっかり時間をかけて関われるように、職員の休憩時間の調整を行いました。

それにより、よい変化が患者さんと看護師に起きています。
看護師は、患者さんのそばでどんなことをしていると思いますか?

看護師は1人1人の食事介助に時間をかけて関わります。看護師は患者さんの食べるペースを大切にして、とにかく見守ります。そして、患者さんが自分の力で食べられなくなった時、少しだけ食べるお手伝いをします。見守られていることで、患者さんは自分で食べようという意欲が見えてきたように感じます。食事時にむせてしまう患者さんも減りました。

実際、前年度の食事自立度と比較して、患者さんの自立度が上昇したという結果を得ることが出来ました!
本当にうれしい結果となりました。

また、日常生活リズムを整える目的で「院内デイケア」を9月より開始しました。
2024年度は69回開催し、述べ272名(33人)が参加しました。院内デイケアでは、リアリティオリエンテーションや嚥下体操、茶話会やゲーム、切り絵などで楽しい時間を過ごしていただきました。患者さんの中には院内デイケアの時間が来るのを楽しみに待っている方もいらっしゃいました。また、職員からは離床の促進や日常生活リズムの改善などの成果が得られたという感想を多くもらいました。

地域密着型病院は病院と在宅を「つなぐ」大切な役割を持っています。日常生活リズムが整い、離床が進むことは退院促進につながる大切な援助です。高齢者が地域で暮らし続けることが出来る支援をこれからも頑張っていきたいと思います。

ちぎり絵             
2025年
看護部長 池 穂波